自宅やスタジオで音楽ビデオを収録するときに、できるだけクリアな音質を得ようとマイクをピアノ近くに立てる。あとから編集アプリで残響や空間音響を加えることはできるので、音楽を楽しむだけなら、それで十分かもしれない。
ただ、ピアノにマイクを突っ込むだけだと、音の透明感はあるが、打鍵の瞬間のすなわちピアノのほんの一部の音しか拾っていないことになる。
アーティストはふだん、ダイナミックレンジいっぱいに音を身体で感じながら、楽器全体から返ってくる響きを聴きつつテンポを決めている。音が鳴って、弦が複雑な共鳴をしながら、遠くへ放たれる時間、それも音楽の大切な要素であり、すなわち臨場感ということ。
録音エンジニアは、収録に必要な臨場感を捉えるために、その場に応じたマイクからの音を試行錯誤プレイバックしながら判断している。たとえば、演奏する人は、演奏音と収録音の乖離が現場では気になるので、演奏と録音の両方を判断しながらというのは、なかなか集中できない。第三者の耳も借りたいもの。
【音をプロに頼む】
コロナ2年目、私たちは様々な新たな体験をしてきました。
誰でもがムービーを簡単に撮れ、好きなアングルで自分らしさを出しながら、SNSなどですぐにシェアできる良さは、これからも増えていくと思います。
プロに映像収録を依頼するほどでない場合にも、収音・録音部分だけをプロに頼むという手もあります。どうぞ、ご遠慮なくお声がけください。